腰椎圧迫骨折とは?
腰椎圧迫骨折の原因・症状・治療・予防まで専門的に解説
はじめに
「最近、背中や腰が痛い」「背が縮んできた気がする」「少し転んだだけで腰が痛む」――。
これらの症状がある方は、腰椎圧迫骨折の可能性があります。特に高齢の方や骨粗しょう症を持つ方に多い疾患で、放置すると姿勢の悪化や慢性的な腰痛、さらには日常生活の質の低下につながります。
本記事では、腰椎圧迫骨折の原因や症状、治療方法、さらに整体・生活習慣改善による予防まで、専門的な観点から分かりやすくご紹介します。
腰椎圧迫骨折とは?
腰椎圧迫骨折とは、腰椎(腰の背骨)が外部からの力によってつぶれるように変形・骨折する状態を指します。
特に椎体の前方部分がつぶれて「くさび形」に変形するのが典型的です。
特徴
- 中高年以降の女性に多い(骨粗しょう症の影響)
- 転倒や尻もち、重い物を持ち上げたときに起こる
- 時にはくしゃみや軽い動作でも発生することがある
主な原因
1. 骨粗しょう症
- 骨がもろくなり、軽微な外力でも骨折しやすくなる。
- 特に閉経後の女性は女性ホルモンの減少により骨密度が低下しやすい。
2. 外傷
- 転倒、尻もち、交通事故などの強い衝撃。
3. 加齢による変化
- 加齢で骨や椎間板が弱くなることで発症リスクが増加。
症状
- 突然の腰痛・背部痛(転倒後や動作中に起こる)
- 動作や体重をかけたときに痛みが増強
- 立位・歩行が困難になることもある
- 慢性期には「円背(猫背)」や「身長の低下」が見られる
診断方法
1. 問診・視診
- 発症のきっかけや痛みの出方を確認。
2. 画像診断
- レントゲン:椎体の形態変化を確認
- MRI:新鮮骨折か陳旧性かを判定
- 骨密度測定(DXA法):骨粗しょう症の有無を評価
治療法
腰椎圧迫骨折は多くの場合、保存療法(手術をしない方法)が中心です。
1. 保存療法
- 安静・コルセット装着:骨が癒合するまで腰椎を固定
- 薬物療法:鎮痛薬、骨粗しょう症治療薬(ビスホスホネート、活性型ビタミンD など)
- リハビリ:痛みが落ち着いたら早期から体幹筋の強化
2. 手術療法(必要な場合)
- 椎体形成術(BKP、KP):つぶれた椎体に骨セメントを注入して安定させる方法
- 強い痛みが続く場合や変形が著しい場合に選択される
放置した場合のリスク
腰椎圧迫骨折を放置すると次のような問題が起こります。
- 慢性的な腰痛
- 姿勢悪化(円背)
- 呼吸機能や消化機能の低下(胸郭・腹腔の圧迫)
- 連鎖的な骨折(「ドミノ骨折」)
予防法
腰椎圧迫骨折は「予防」が非常に重要です。
1. 骨密度の維持
- カルシウム、ビタミンD、ビタミンKを含む食品を摂取
- 適度な日光浴(ビタミンDの合成を促進)
2. 筋力トレーニング
- 体幹筋(腹筋・背筋)を鍛え、背骨への負担を軽減
- 下肢筋力強化で転倒予防
3. 姿勢改善
- 猫背は椎体前方に負荷をかけやすいため、姿勢改善が必須
- 整体やリハビリで正しい脊柱アライメントを保つ
4. 転倒予防
- 室内環境の整備(段差や滑りやすい場所の改善)
- 運動習慣をつけ、バランス感覚を維持
整体院でのサポート
整体院では直接的な骨折治療はできませんが、再発予防や生活の質改善のサポートが可能です。
- 姿勢改善・骨盤矯正
- 体幹筋の機能回復を促すエクササイズ指導
- 日常動作の見直し(起き上がり方、歩き方など)
まとめ
腰椎圧迫骨折は高齢者や骨粗しょう症を持つ方に多く、放置すると慢性腰痛や生活の質低下につながります。
しかし、早期に適切な治療とリハビリを行い、生活習慣や姿勢を改善することで、再発を防ぎ健康的な生活を取り戻すことができます。
整体院としては、骨折後の回復期や予防の段階で、姿勢改善・筋力強化・日常動作の習慣化をサポートすることが大切です。